イタリア語は「歌うためのことば」と言われるほど、発音するのが楽しくなる言語。しゃべることこそ、イタリア語の醍醐味です!
イタリア語の音(音素)は合計30こ。日本語になじみがある音も多く、英語やフランス語など他の外国語と比べて読み方はとてもシンプルです。
英語などに慣れていると、ちょっと間違えやすい読み方もありますが、注意しながら一気に覚えてしまいましょう。
一通り読み方を覚えたら、あとはどんどん声に出して読んでいくのが習得の近道です♪
さあ、順番にイタリア語の音と読み方を見ていきましょう。
母音
母音は、日本語の「あ、い、う、え、お」に当たる音。
イタリア語の母音は7つあります。日本語の「あ、い、う、え、お」の音に似ていますが、全体的に口を大きく動かして強めに発音します。
イタリア語の嬉しいところは、アルファベットの表記と発音のズレがほとんどないこと。基本的に、1つのアルファベット表記には1つの音が対応しています。
「 banana 」という単語を例に見てみましょう。
私たちのよく知っている英語の banana は、発音記号でかくと /bənɑːnə/ 。
「 a 」という1つのアルファベット記号に対して、 /ə/ と /ɑ/ という2種類の異なる音があるのがよく分かります。
一方、イタリア語の banana の発音は /bana:na/ 。「 a 」のアルファベットに対して、音も /a/ という1つになっています*。
*母音の長短については、アクセントのページで詳しく解説します♪
しかし、母音にはその例外となる音が2つあります。
日本人にとっては発音するのも聞き分けるのも難しい音ですが、知識として知っておけば十分です。
「エ」と「オ」は2種類
上記の一覧表を見ると、「 e 」や「 o 」には2種類の「エ」と「オ」の音があることに気づきます。
2つの「エ」と「オ」の違いは何かというと、いずれも口の開き具合の差。
- 口を開いたエとオ
- 口を閉じたエとオ(日本語のエやオに近い)
どちらの音になるのかは、ある程度の規則性があるものの、地方によってばらつきがあったりと例外もたくさん。
また、この2種類の音は単純化される傾向にあり、近年はイタリア語の母音が5つに集約されつつあるのも事実。
つまり、その違いを発音したり聞き分けたりできなくても、コミュニケーションに支障をきたすことはありません。
気にすることなく、まずは「ア、イ、ウ、エ、オ」の5つで覚えてしまうのがおススメです。
半母音
母音が2つ続いた場合、どちらかの母音が弱く発音されて子音のような音になることがあります。
このような音は子音と母音の特徴をもっているので半母音(または半子音)と呼ばれています。
イタリア語には2つの半母音があります。
カタカナ表記で分かりやすい例を見てみましょう。
- 「 cioccolato 」の 中にある「 io 」の発音
「 i 」の音は、後ろにもう1つの母音「 o 」が続いています。
そのため「 i 」の音は弱くなるので、「 cio 」の部分は「チ・オ」と区切らずに、「チョ」と一気に続けて発音します。
- 「 luogo 」の中にある「 uo 」の発音
「 u 」の音は、後ろにもう1つの母音「 o 」が続いています。
そのため「 u 」の音は弱くなるので、「ル・オー」と区切らず、「ルォー」と続けて発音します。
子音
全部で21の音があります。
子音だけでは音がイメージしずらいので、下の表ではそれぞれの子音に母音をつけて発音の表記をしています。
「 s 」と「 z 」は2種類
母音のように、子音もアルファベット表記と音は1対1の対応ですが、こちらも例外が2つあります。
例外的に2つの音をもつアルファベット記号は、「 s 」と「 z 」。
それぞれの違いは、有声音か無声音かの違いになります。
- 「 s 」の表記は、「サ、スィ、ス、セ、ソ」(無声音)か、「ザ、ズィ、ズ、ゼ、ゾ」(有声音)の読み方があります。
- 「 z 」の表記には、「ツァ、ツィ、ツ、ツェ、ツォ」(無声音)か、「ヅァ、ヅィ、ヅ、ヅェ、ヅォ」(有声音)の読み方があります。
「エ」と「オ」と同様、この発音もどちらになるのかある程度の規則がありますが、地方によって音が変わってきます。
こちらも、まずは2種類の読みがあることを頭の片隅においておく程度にして、どんどん耳で覚えていくのが一番です。
有声音とは、発音したときに声帯が震える音。すべての母音と半母音、一部の子音がこれにあたります。
一方、無声音は発音したときに声帯が震えない音。一部の子音がこれにあたります。
発音するときに手をのどにあてると、声帯の振動によってその音が有声音か無声音かよくわかります。
注意したい音
日本語のローマ字読み、英語やフランス語などの読み方に引きずられないように注意しましょう。
二重子音
イタリア語では、同じアルファベットが2つ続くと発音に変化があらわれます。
同じアルファベットが2つ続くと、その子音の前に小さな「ん」や「っ」のような音が入ります。
二重子音、「ん」の音(撥音)
「 n 」と「 m 」がそれぞれ連続して2つある場合は、「ん」のような音が入ります。
- mamma
- nonno
二重子音、小さな「っ」の音(促音)
「 m 」と「 n 」以外のアルファベットが続く場合は、日本語の小さな「っ」のような音が入ります。
- messa
- legge
- pizza
まとめ
以上をまとめると、
- イタリア語の音素は30こ(母音7、半母音2、子音21)で、発音はシンプル。
- イタリア語の発音は、基本的に表記通り。例外は、母音の「 e 」と「 o 」、および子音の「 s 」と「 z 」。
- 子音は、二重子音と間違えやすい表記の読みに気を付ける。
となります。
これで基本の読みはばっちりです!